卒業生の活躍

〜卒業生Yさんへのインタビュー〜



アメリカで看護師をしている卒業生が8月初旬、学校を訪れてくれました。
夏休みを利用して日本に一時帰国しているYさんと再会した私たちは彼女の体験や経験を聞き、これから看護師を目指す後輩たちにいい刺激になってくれればいいなと思いインタビューを行いました。

Yさんは日本で看護師免許を取得した後、アメリカの看護師免許※1を取得し、現在はカリフォルニア州で看護師として働いています。今もなお鋭意努力し続ける彼女のお話を聞くことができました。

※1 アメリカで看護師として働くためには、就職したい州の看護師免許(National Council EXamination for Registered Nurses/NCLEX−RN)が必要です。





「渡米当初は専業主婦になるつもりでした。」




結婚と同時にYさんがアメリカ:カリフォルニア州へ渡ったのは11年前、36歳の時のこと。
初めのうちは英語を聞き取る事も話す事もできず、いつも会話に加わることができずにいたそうです。
そのような事情もあり、渡米当初は「働く」という気持ちはなく専業主婦になるつもりでいました。
 ところが英会話ができない為、一人での買い物やご近所付き合いに支障がでてしまいました。

「このままではアメリカ社会に適応できない。」

そう考えた彼女は英会話の学校へ通うことにしました。






「再スタートのきっかけは知人が教えてくれた『アシスタントナース』の話。」

学校に通い、会話に少し慣れてきたころ、知り合いからアシスタントナース(助手)の話を聞き、日本で苦労して取得した資格と経験を活かして「看護師」としての再スタートのきっかけをつかもうとYさんはカリフォルニアの病院で働き始めました。

アメリカでは日本のライセンス(資格・免許)だけでは医療行為を行うことができない為、
「このままでは折角持っている知識や経験を十分に活かすことができない」と考えた彼女は働きながらライセンスを取得する決意をします。 







「一度目の失敗と同僚の言葉・・・悔しさをバネに。」


ライセンスを取得することを決意したYさんでしたが、一度目の試験は日本とは勝手が違うこともあって散々な結果に。
そのことを病院の同僚たちに話すと
「ちょっと勉強したくらいで受かるもんじゃないわよ。」と冷たくあしらわれ、同情もしてくれなかったそうです。

一度、日本で国家試験に合格しているYさんはあまりの悔しさに一念発起。
当時新婚であるにも関わらず家事の一切をご主人に任せ、仕事から帰ったら机に向かい何時間も勉強をする、という毎日が続いたそうです。

それから3ヵ月後、後に
「今まで生きてきた中でこんなに勉強をしたことがない。」と言うほどの猛勉強の甲斐あって見事試験に合格。
念願の資格を取得することができました。

以前、試験に失敗したときに冷たくあしらっていた同僚もかなり驚いた様子。
それというのも通常、
アメリカで看護師を目指す人は2年以上の専門学校に通って試験を受けるのが当たり前。Yさんのように独学で、しかも数ヶ月で合格するというのは非常に稀なことだそうです。
「ちょっと勉強したくらいで受かるもんじゃないわよ。」という同僚の一言から始まった猛勉強の結果、ついに免許を取得し、看護師として新たな一歩を踏み出すことができました。







「『看護』という職業に国境は無い。」


彼女は現在もビバリーヒルズのクリニックで看護師の資格を活かして働いています。
アメリカでの生活にもなれ、職場にも馴染んでいるYさんですが、英会話には今でも苦労するとこがあるそうです。


Yさんは最後に次のように話してくれました。

「コミュニケーションの行き違いが無いように丁寧かつ慎重に言葉を選んで会話するように心がけています。日本とアメリカにある大小さまざまな文化や環境の違いに今でも戸惑う事はありますが、
『看護』という職業に国境は無いと思っています。これからも自らを磨いていきたいと思っています。」

話を終えて:インタビュアーの感想

 10年程前、Yさんが結婚してアメリカに移住したという話を人づてに聞き、日本の病院で働いているとばかり思っていた私たちは大変驚きました。

 それからまもなく本校に「アメリカで看護師免許を取得したいので英文の成績証明書を発行してほしい。」という連絡が本人から来たときには声も出ないほど驚いたことを覚えています。

 そして、「これから彼女のように海外で活動していく卒業生がどんどん増えてくるのではないか・・・」と当時、思いを巡らせていました。

実際にYさんの他にも英文の成績証明書を発行した人や留学経験者、海外でボランティア活動に参加した卒業生の話を耳にする機会が増えてきました。中には就職先がカシミール(インド北部からパキスタン北東部に広がる山岳地帯)という人もいました。

 今回Yさんの話を聞いて、年齢や環境を理由にあきらめてしまうのではなく、困難にチャレンジする勇気と自分の可能性に向けて努力する粘り強さを持つことの大切さを教えてもらったように思います。

平成16年8月4日


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